2015年6月アーカイブ

心理カウンセリングには、一種の逆療法となる方法がいくつかある。

たとえば自殺願望を抱えた人の治療がそれで、こういう人にはストレートに「考えなおせ」とは言わない。

まずひととおり話を聞いたら、「そういう事情ならしかたがない、止めるわけにはいかない。やむをえない、自殺するしかないでしょう」と賛成の気持ちを伝えるのだ。

そのうえ、「首を吊るのはどうかな。一瞬とはいえ苦しいだろうし、あとが汚いっていうしね。電車は残された人があとで補償に苦しむそうだけどね」と具体的な方法までいっしょに考えてやる。

離婚相談でも、似たような手法をとることがある。

離婚を思いとどまるように言われると思い、夫への悪口を並べたてる妻に、やはり「考えなおせ」とは言わない。

JDPホールディングス株式会社

人間心理の盲点

私が運転免許の更新で教習所に行ったときのこと、ごった返す人のなかで「更新」の窓口がわからない。

仕方なく職員のひとりに場所を聞いたところ、さも面倒くさそうに、またかという表情で、「あそこにちゃんと書いてあるだろう」と言う。

なるほど、指されたほうを見ると、窓口の上の小さな看板に「更新」という文字が見える。

しかし、はじめて来た人間が、それとすぐわかるような表示とは、とても思えなかった。

それなのにこの職員の態度はどうだろう。

たしかに形のうえではきちんと各窓口の表示がなされている。

だが、彼自身の表情からもわかるように、おそらく何人もの人が、くり返し窓口の場所を尋ねるという事態が発生しているにもかかわらず、彼もほかの職員も、その表示のわかりにくさを問題にしていない。

要するに、形式がいちおう整っていると、それがほんとうに機能しているかどうかを問題にしなくなる人間心理の盲点が露呈しているのだ。

JDPホールディングス株式会社
地震、雷、火事、ドロボー......。

これは幼いとき、いつとはなしに覚え、おぼろげながら感じていた"おそろしいもの"の代表である。

「ドロボー」の代わりに「オヤジ」というのが正しいとする説もあるが、それはともかく、この表現にはどことなくユーモラスなところがある。

いわば身近にある危険(リスク)を言葉たくみに読みこんだものだが、現代におけるリスクとは、いったいどのようなものであろうか。
地般皿沈下、電波障害、光化学スモッグ、オキシダントやフロンなどによる汚濁汚染、粉塵公害、騒音公害、薬品公害、悪臭公害、停電・断水、放射線・原子力事故、エイズ......。

まだまだ、たくさんある。