十字型機枠の各先端に四組の複葉ローターをつけ、中央に塔載したガソリンエンジンでこれらを駆動、1907年に操縦士一人を乗せて1.5メートル浮揚している。
このころ(第一次大戦の勃発を遡ること5年、1909年すなわち明治42年)、後年アメリカのヘリ開拓者として有名なイゴール・シコルスキーが帝政時代のロシアでヘリの試作を開始している。
彼が19歳の年である。
アンザニ空冷三気筒25馬力のエンジンで同軸反転ローターの実験機をつくったがパワー不足で失敗したという。
現在世界一のヘリ製作の萌芽となった事実として興味深い。
この他今日の実用機の先駆的原型をつくったスペインのペスカラ侯爵やホバリングに成功したアメリカのジョージ・ボザート教授の名前を忘れてはならない。
また1933年にベルギーの物理学者ニコラス・フローリンの手になる双発の4枚プロペラ型は今日のボーイング・バートルの元祖といえる。
6メートルの高さを10分間飛行するのに成功した。