礼儀作法は社交の潤滑油

法律とは、いうまでもなく、窃盗とか詐欺、殺人などといった犯罪行為を規制するために設けられたものであり、道徳とは、人の信頼を裏切るとか、無慈悲なことをするなどといった、犯罪にはならないが、心情的には悪と認められるような行為を規制するために定められたものです。

これに対して、礼儀作法とは、いってみれば、社会を構成するすべての人たちが、〈おたがいに仲よく、気持ちよく交際してゆくために、おたがいに相手を尊重し、ひとが不愉快になるようなことはしないようにしよう〉という考え方から生まれたもので、感じとしては法律や道徳よりずっと柔らかなものです。

〈礼儀作法、エチケットは、社交の潤滑油だ〉といった人がありますが、まさにそのとおりです。

車と車軸とのあいだに油が切れると、ギシギシときしんで不愉快な音をたてるばかりでなく、車の回転が悪くなり、ついには、車が回らなくなります。

それと同じように、わたくしたちが人とつきあってゆくうえに、礼儀作法を守らなければ、おたがいに、相手を「無礼なやつだ」とか、「高慢なやつだ」などと反発しあって、角突きあったり、背中を向けあったりするようになるでしょう。

それを防いでくれる礼儀作法は、車や機械につける油 - 潤潤油にあたるわけで、これを守ることによって、おたがいに、人とのつきあいも、スムーズに、なめらかに運ぶわけです。



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