逆にこんなひどい夫はいままで聞いたこともない、あなたもよくよく運が悪い、このままだと生き地獄だ、などと夫のひどさを強調してやり、一刻も早くさっさと別れなさいとすすめる。
するとおもしろいことに、相手は、たしかに夫はひどいけれども、それほどではない、自分が悪いところもあると、かえって夫を弁護したりしはじめるのだ。
神経症の治療で有名な森田療法でも、苦しみや悩みを訴える人には、けっして忘れなさいとは言わない。
もっと悩め、もっと苦しめと、とことん悩ませてみるのである。
一見、非情な方法にもみえるが、こうしたやり方に共通する意図は、自分の抱える問題を遠ざけるのでなく、かえって問題そのものを本人にぶつけることにより、客観視させることにある。
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